ICT使った遠隔診療システムに関心高まる

――日本経営協会が「遠隔診療勉強会」を開催

2018年02月05日

 ICTデバイスを活用し、過疎地などの患者に遠隔地から医者が診療する「遠隔診療システムに」に関心が高まってきた。中央社会保険医療協議会(中医協)は今年1月24日の総会で、2018年度診療報酬改定ではオンライン診療料、オンライン医学管理料などの新設を発表し、遠隔診療の診療報酬での評価方針を示した。これをきっかけに、医師たちも遠隔診療に向け具体策を検討し始めている。

 

 

 

 日本経営協会は5日、「2018年度診療報酬に向けた遠隔診療勉強会」を開催した。講演では、落合孝文弁護士が遠隔診療にかかる法制度を紹介。遠隔診療を実施する上での法的な注意点を整理した。

 

渥美坂井法律事務所の落合 孝文 弁護士

 

 

 続けて、亀田総合病院の小川理医師は同病院でのiPhone、Apple Watchを活用した臨床試験での経験から、診療にICTデバイスを活用する上での課題点、糖尿病患者で遠隔診療を実施するための考え方を紹介した。

亀田総合病院の小川 理 医師

 

 

 順天堂大学医学部附属順天堂病院の波田野琢医師は、遠隔診療でパーキンソン病患者の診療した事例を紹介し、治療方針を変更する際の使用はしにくいとしながらも、「専門医の不足、患者満足度という観点からも有用である」との考えを示した。

順天堂大学医学部附属順天堂病院の波田野 琢 医師

 

 MM総研調べでは、遠隔診療システムの医療機関への導入率は現状約3%と推定する。2018年度の診療報酬改定は、遠隔診療システム普及に向けた大きな契機となりそうだ。