NEDO 開催中の「ロボット・AIフォーラム2017」で次世代機種を公開

―――林業用アシストスーツと電動車いす型ロボット

2017年11月29日

 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は11月29日から開催中の「NEDOロボット・AIフォーラム2017」で、次世代機種として林業用アシストスーツと電動車いす型ロボットを公開した。同フォーラムは東京ビッグサイトで12月2日まで開催。

 

 林業用アシストスーツ「TABITO-03」は、住友林業、森林研究・整備機構 森林総合研究所、株式会社ATOUN、 奈良先端科学技術大学院大学などと共同で開発した試作機で、傾斜面の歩行を支援するアシストスーツ。足の裏に配置した圧力センサーと各関節の角度センサーで作業者の姿勢を読み取り、動くタイミングに合わせてモーターが駆動する。

 

 上り坂では足の振り上げと踏込みをアシストすることで作業者の体を持ち上げ、踏み込む足を楽にする。下り坂では膝の動きにブレーキをかけることで装着者の膝の負担を軽減する。モーターを膝の左右に各1個、膝に各1個の計4個使用し、バッテリーで駆動。駆動時間は1回の作業時間と同等の2時間程度。総重量は20kg程度あるが、重さを作業者に伝えず地面に逃がすことができる。2025年までに販売開始を目指す。

 

「TABITO-03」装着した様子

 

 スムーズな移動を可能にする電動車いす型ロボット「RODEM」は、株式会社テムザックが開発した。“乗る”車いす型ロボットである。従来は“座る”形式の車いすが一般的であったが、「後ろから乗る」形式へ発想を転換。体の向きを変えることなく、より自然な動きでベッド、椅子、トイレなどへの移動が可能となった。この結果、介助・被介助双方の者の負担を軽減。NEDOの支援を受け、福祉大国であるデンマークの介護施設で実証実験を実施、日本をはじめ、ヨーロッパ、アメリカ、中国で特許を取得した。「RODEM」は2017年11月20日に発売されている。

株式会社テムザック 代表取締役 髙本陽一 社長