NEDOと慶應大学 身体感覚を伝送する双腕型ロボットを開発

―――ものをやさしくつかむ世界初の技術

2017年09月29日

 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)と慶應義塾大学は9月28日、身体感覚を伝送可能な双椀型ロボット「General Purpose Arm」の開発に成功したと発表した。ものをやさしくつかむ世界初の高精度力触覚技術を搭載している。

 

 これまでのロボットは、例えば搭載したドリルを前に進める過程で金属にあたった際、ドリルの刃先をいかに固くするかが課題とされてきた。その反面、ロボットを非常に硬くする(高い制御剛性)必要性から、微妙な大きさの違いが把握できず対象物を落としたり破壊したりするという弱点があった。

 

 NEDO、慶應大連合はものをやさしく掴むことのできる世界初の高精度力触覚技術(リアルハプティクス技術)を開発、ロボットが物体に触れた感覚を操作者に伝送できるようになった。加えてヘッドマウントディスプレイとステレオカメラからなるビジョンシステムにより、視角、聴覚情報も伝送が可能。また同時に開発した筋収縮測定システムによって移動もできるという。これにより操作者は遠く離れた場所からでも高い臨場感を持ってロボット操作が可能になるという。

 

 両者はリアルハプティクス技術を搭載したICチップを外販するベンチャー企業「モーションリブ株式会社」を立ち上げた。このベンチャーを拠点に企業約30社と共同研究を推進している。

 

遠隔操作によりプラスチックコップにペットボトルから水を注いでいる様子

 

プレスリリース
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2017/9/28/28-24437/