「キャリアユーザーのリプレース需要を狙う日も」  ――深読みセミナーで独立系MVNOの可能性指摘

MM総研は4月20日、「M&Dレポート」購読者を対象にした限定セミナー「深読みセミナー」を開催した。メインテーマの「変革期を迎えるMVNO市場」では、弊社研究員の石塚昭久は「今後の市場成長のカギを握るのは大手キャリアに属さない独立系MVNO。特に、独自サービス型SIMをどこまで事業化できるかにかかっている」と強調した。
MM総研はMVNO市場について定期的に調査結果をまとめているが、セミナーでは今年6月発表見込みの最新の調査結果を一部紹介した。それによると、大手キャリア系の「MNOでもあるMVNO」の成長率が相変わらず高いことが分かった。契約回線数の増加率でみると、2014年12月時点で「MNOでもあるMVNO」は半年前の14年9月時点に比べ約45%増加。これに対し、独立系MVNOは同期間で8%の伸びだった。市場シェアでもMNOでもあるMVNOが14年12月時点で66%を占めている。

 それでも、独立系MVNOは着実に伸びており、石塚は「特に独自サービス型SIMは今後高い成長が見込める」として、過去1年で市場環境が大きく変化したことを指摘した。「キャリアメールが付与されない」「音声通話サービスの提供事業者が少ない」などのユーザーからの不満に対してはほぼ対応できている。
独自サービス型SIMの提供スペックは革新期に入っており、「大手キャリアと同等のスペックで、しかも低価格になりつつある」。今後MNOユーザーのリプレースをねらう動きも加速するとみている。
 セミナーではMM総研所長の中島洋が激化する「サイバー戦争」をテーマに講演した。2020年開催の東京オリンピックがサイバー攻撃のトピックになりかねず、「一説には、8万人規模の防衛技術者が必要になる」との見方を紹介した。こうした激化するサイバー戦争の中で、企業が情報を守るには情報を暗号化したうえで分割して蓄積する「秘密分散処理」法なども検討すべきと強調した。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社MM総研

担 当 : 石塚

所在地 : 東京都港区芝公園2-6-3 芝公園フロントタワー

連絡先 : 03-5777-0161

電話をかけるお問い合わせ