スマートソリューション部門
最優秀賞

リサーチや執筆のためのAIアシスタントツール「NotebookLM」 グーグル合同会社

情報を理解し思考を加速させる、Googleの新AIアシスタント

「NotebookLM」は複雑な情報を整理し、新たな洞察を生む強力なツールだ。2023年7月に発表され、2024年4月には日本語を含む50以上の言語に対応、200以上の国と地域で提供を開始した。個人的なメモから膨大な研究資料まであらゆる情報を一元的に管理し、AI(人工知能)がその内容を深く理解することで、これまでになかったレベルでの洞察と効率性を提供する。今後、様々な分野で知的な探求を加速させ、ビジネスと学習、研究の未来を切り開くことが期待される。

パーソナルなAIアシスタント

グーグルのプロダクトマネージメントディレクターであるサイモン・トクミネ氏は、NotebookLMを「ユーザーが複雑な情報を理解し、精査するのを助ける」ために開発されたAIアシスタントだと語る。従来のノート作成ツールが単なるテキストの記録や整理にとどまっていたのに対し、NotebookLMは「AIを活用してアップロードされたソースを深く理解し、情報を変換・分析・可視化する能力」において画期的だ。

NotebookLMはアップロードされた参照資料を基に瞬時にそのトピックの専門家となる。これにより、情報から新しい関連性を見つけ出したり、下書きを素早く作成したりすることが可能だ。

情報を深く理解する必要があるすべての人へ

主なユーザーは、「複雑な情報を理解し、精査する必要があるすべての人々」だ。具体的には以下の通りである。

  • 学生、教育関係者、及び教育機関: 世界各国で数万の学校がNotebookLMを学習支援、執筆サポート、研究、インタラクティブな学習に活用している。
  • ビジネスパーソンおよび企業: NotebookLM Plusは生産性向上と知識共有の加速に利用されており、すでに8万以上の組織が導入している。
  • 著者、研究者、ドキュメンタリーやポッドキャストの制作者: ベストセラー作家が新作執筆のリサーチに活用したり、ドキュメンタリーやポッドキャストの制作者がアーカイブから脚本やストーリーのアイデアを見つけ出すために使用したりする例がある。

ユニークかつ進化し続ける機能

NotebookLMは複雑な情報を理解し、精査することを目的に様々な機能をAIを用いて実現する。主要な機能は「ソースの深い理解と引用機能」だ。多様な形式のソースをアップロードして整理できる。AIが生成する応答はアップロードされた資料に根ざしており、インライン引用で元のソースに直接アクセスできるため、ファクトチェックや文脈の確認が容易である。PDF内の画像やグラフを含むすべてのコンテンツを認識し、理解できることも特筆すべき点だ。他にも、ドキュメントを2人のAIホストによるポッドキャスト形式の会話に変換する「音声概要(Audio Overviews)」やユーザーが興味のあるトピックを説明すると、NotebookLMがWebから関連性の高いソースを収集・要約してくれる「ソースの発見(Discover Sources)」機能、ソースやメモの全体構造を把握し、一見無関係な概念を結びつけるインタラクティブな視覚的ダイアグラムを生成する「マインドマップ機能」などがある。ビジネス向けには「NotebookLM Plus」を提供している。

今後の注力点としては、モバイルアプリの機能強化や新しい入力タイプの追加、音声概要機能の継続的な改善が含まれる。また、長期的なプロジェクトでの利用を支援する機能強化も計画している。他のGoogle製品、特に対話型AI「Gemini」との連携も深く、これらの統合と役割分担により、NotebookLMは単なるメモツールやAIチャットボットを超え、Googleの広範なエコシステムの中で、ユーザーが複雑な情報をより深く理解し、活用するための包括的なソリューションを提供する。

責任あるAIの社会実装

GoogleはAIの持つ可能性がすべての人々の利益となるように、大胆かつ責任あるアプローチのもとでAI開発に取り組んでいる。その上で、機会の創出、責任ある利用の促進、セキュリティの強化を基本方針とし、AI技術の社会実装に努めている。

NotebookLMの実装においては、特にデータプライバシーとセキュリティに重点的に取り組んでいる。トクミネ氏は「アップロードされたユーザーの個人データがNotebookLMのトレーニングには決して使用されないことを明確にしています」と述べ、ユーザーの情報がプライベートに保たれることを保証している。今後もこの方針は継続していく。さらにNotebookLMで生成される要約などには、AIによる生成物であることを明記し、透明性も確保している。

NotebookLMは、今後も継続的に機能強化を続けていく計画である。情報過多の現代において、私たちが知識を管理し、活用し、そして新たなアイデアを生み出す方法を根本的に変える可能性を秘めている。

受賞製品・サービス一覧

2025年 大賞

スマートソリューション部門
次世代モビリティ分野 最優秀賞

次世代モビリティ分野 最優秀賞

SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)

株式会社SkyDrive

2025年

スマートソリューション部門
AI分野 最優秀賞

AI分野 最優秀賞

watsonx

日本アイ・ビー・エム株式会社

2025年

スマートソリューション部門
AI分野 最優秀賞

AI分野 最優秀賞

「Stargate Project」や「クリスタル・インテリジェンス」など、AGI、ASIの実現に向けた取り組み

ソフトバンクグループ株式会社

2025年

スマートソリューション部門
半導体分野 最優秀賞

半導体分野 最優秀賞

NVIDIA Blackwell

NVIDIA

2025年

スマートソリューション部門
光通信サービス分野 最優秀賞

光通信サービス分野 最優秀賞

All-Photonics Connect powered by IOWN

NTT東日本株式会社/NTT西日本株式会社

2025年

スマートソリューション部門
光通信インフラ分野 最優秀賞

光通信インフラ分野 最優秀賞

光海底ケーブル事業

日本電気株式会社

2025年

スマートソリューション部門
非地上通信分野 最優秀賞

非地上通信分野 最優秀賞

au Starlink Direct

KDDI株式会社

2025年

スマートソリューション部門
衛星データ分野 最優秀賞

衛星データ分野 最優秀賞

「Marble Visions」の取り組み

株式会社NTTデータ/株式会社Marble Visions

2025年

スマートソリューション部門
地域モビリティ分野 最優秀賞

地域モビリティ分野 最優秀賞

「KANSAI MaaS」

関西MaaS協議会

2025年

スマートソリューション部門
DX支援分野 最優秀賞

DX支援分野 最優秀賞

BluStellar

日本電気株式会社

2025年

スマートソリューション部門
DXソリューション分野 最優秀賞

DXソリューション分野 最優秀賞

未来のコンビニ「Real×Tech Convenience」などにおける協業

三菱商事株式会社/KDDI株式会社/株式会社ローソン

2025年

スマートソリューション部門
スマートデバイス分野 最優秀賞

スマートデバイス分野 最優秀賞

コストパフォーマンスの高いスマートフォンなどの製品群

小米技術日本株式会社(シャオミ・ジャパン)

2025年

スマートソリューション部門
次世代ロボット分野 最優秀賞

次世代ロボット分野 最優秀賞

ミミズ型管内走行ロボット「Sooha🄬

株式会社ソラリス

2025年

スマートソリューション部門
最優秀賞

最優秀賞

リサーチや執筆のためのAIアシスタントツール「NotebookLM」

グーグル合同会社