スマートソリューション部門
DXソリューション分野
最優秀賞

未来のコンビニ「Real×Tech Convenience」などにおける協業 三菱商事株式会社/KDDI株式会社/株式会社ローソン

人とテクノロジーをつなぐ、三菱商事×KDDI×LAWSONの「未来のコンビニ」への挑戦

三菱商事、KDDI、ローソンの3社は2024年に「未来のコンビニ『Real×Tech Convenience』」構想を発表した。通信、商社、小売りという異業種の強みを結集し、テクノロジーの実装によって小売り現場や地域が抱える課題の解決を目指している。リテール業務の効率化と生活者との接点強化を両立する取り組みとして注目を集め、ブランド力や事業基盤、Ponta経済圏を活かした拡張性と社会的インパクトの大きさが評価された。

通信×商社×小売り、異業種が描く未来の店舗像

三菱商事、KDDI、ローソンの3社は、それぞれの強みを掛け合わせ、小売店舗と地域社会が抱える課題の解決を目指す「未来のコンビニ」づくりに挑んでいる。

KDDIは、通信キャリアとしての枠を越え、リアルな生活空間における顧客接点の強化を図る中で、全国に広がるローソンの小売りのノウハウと、自社のテクノロジーを掛け合わせ、新たな社会インフラの構築に取り組んでいる。通信、AI(人工知能)、ロボティクスなど多様な技術を融合し、KDDIの持つ通信やテクノロジーの「つなぐチカラ」で、人とモノ、データが交わる接点としてのコンビニの可能性を広げている。

<AIサイネージ>

三菱商事は、20年以上にわたるローソンとのパートナーシップや、原料調達から製造・物流に至るサプライチェーン構築、さらには海外ネットワークを背景に、プロジェクトの中長期的な視点と事業安定性を支える存在だ。

ローソンは「マチのほっとステーション」として、安全・安心・利便性を提供するリアル店舗の価値を再定義しつつ、2030年度までに店舗業務を30%削減するという具体的な目標を掲げている。テクノロジーの導入で、サービスの質、業務効率、地域との関係性のバランスを重視した新たな店舗モデルの構築を進めている。

3社が描く「未来のコンビニ」の具体的な実証の舞台として位置づけられているのが、KDDI本社のある東京・高輪に6月にオープンした「Real×Tech LAWSON」1号店だ。1号店では、飲料の補充や清掃作業をロボットが担当し、店舗業務を裏方で支援する。一方、店内のAIサイネージ(電子掲示板)は来店客の行動に応じた商品レコメンドを行い、アバター接客システムはセルフレジの操作を補助する。業務効率化と顧客体験の向上を両立させる取り組みを実現した。

Ponta経済圏との融合、スマートシティ構想実証フィールドとしての「高輪」

1号店では、生成AIを搭載したPonta(Pontaサービスのキャラクター)が高輪のマチや店舗情報を発信する「AI Ponta」や、リモート接客サービス「Pontaよろず相談所」によって、買い物を超えた生活総合サービスの拠点化を進める。来店客は商品を手に取りながらAI Pontaによるレコメンドや占いを楽しめるほか、通信や金融、医療といった分野の専門スタッフに店舗内から遠隔相談できる。さらに、Pontaパスとの連携によるクーポン配信やポイント活用も加わり、利便性とエンターテインメント性を兼ね備えた新たな顧客接点を構築している。

JR高輪ゲートウェイ駅に隣接する新街区「高輪ゲートウェイシティ」は、スマートシティ向けのデータ連携基盤(都市OS)を活用したスマートシティ化の先進地であり、Real×Tech LAWSONはその実証拠点としての役割も担う。店内サイネージでは、天気や電車の遅延、周辺の混雑状況など、マチに関するリアルタイム情報を表示し、地域住民や来街者に向けた情報ハブとして機能する。また、ファサード照明やサイネージ演出により、店舗空間とマチの雰囲気が連動する設計を採用している。今後は都市OSから得られる人流データなどを活用し、需要予測精度の向上や在庫最適化によるフードロス削減にもつなげていく方針だ。

こうした取り組みによって、店舗は単なる小売りの場から、生活者との継続的な関係性を築く基点へと変貌しつつある。

<スマートシティ連携>

通信キャリアが目指す社会の形

KDDIは通信キャリアという枠組みを越えて、人やモノ、データをリアルな生活空間の中でつなぎ、新たな社会基盤を構築する存在へと進化しようとしている。「Real×Tech LAWSON」はその象徴的な取り組みであり、通信、AI、ロボティクス、都市OS、防災インフラなど多様な技術を集約し、社会課題の解決に挑む実証フィールドとなっている。

この取り組みを支えるのが、ローソンや三菱商事をはじめとする異業種パートナーとの共創だ。単なる技術導入にとどまらず、それぞれの業界が持つ価値観を擦り合わせる「合宿型セッション」なども取り入れながら、業種・企業文化の垣根を越えた信頼関係を築いてきた。KDDIは自社の強みである「つなぐチカラ」を軸に、多様なソリューションの橋渡し役を担っている。

こうした中で、通信という目に見えにくいインフラが果たすべき役割もまた変化している。KDDIはマチや人と信頼でつながる「技術の翻訳者」として、ドローンやStarlink、オンデマンド交通など、地域インフラと融合した新たな社会モデルの実装を進めている。小売りや自治体にとっても、通信事業者は単なる裏方ではなく、地域課題に並走するパートナーへと、その存在意義を広げつつある。

受賞製品・サービス一覧

2025年 大賞

スマートソリューション部門
次世代モビリティ分野 最優秀賞

次世代モビリティ分野 最優秀賞

SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)

株式会社SkyDrive

2025年

スマートソリューション部門
AI分野 最優秀賞

AI分野 最優秀賞

watsonx

日本アイ・ビー・エム株式会社

2025年

スマートソリューション部門
AI分野 最優秀賞

AI分野 最優秀賞

「Stargate Project」や「クリスタル・インテリジェンス」など、AGI、ASIの実現に向けた取り組み

ソフトバンクグループ株式会社

2025年

スマートソリューション部門
半導体分野 最優秀賞

半導体分野 最優秀賞

NVIDIA Blackwell

NVIDIA

2025年

スマートソリューション部門
光通信サービス分野 最優秀賞

光通信サービス分野 最優秀賞

All-Photonics Connect powered by IOWN

NTT東日本株式会社/NTT西日本株式会社

2025年

スマートソリューション部門
光通信インフラ分野 最優秀賞

光通信インフラ分野 最優秀賞

光海底ケーブル事業

日本電気株式会社

2025年

スマートソリューション部門
非地上通信分野 最優秀賞

非地上通信分野 最優秀賞

au Starlink Direct

KDDI株式会社

2025年

スマートソリューション部門
衛星データ分野 最優秀賞

衛星データ分野 最優秀賞

「Marble Visions」の取り組み

株式会社NTTデータ/株式会社Marble Visions

2025年

スマートソリューション部門
地域モビリティ分野 最優秀賞

地域モビリティ分野 最優秀賞

「KANSAI MaaS」

関西MaaS協議会

2025年

スマートソリューション部門
DX支援分野 最優秀賞

DX支援分野 最優秀賞

BluStellar

日本電気株式会社

2025年

スマートソリューション部門
DXソリューション分野 最優秀賞

DXソリューション分野 最優秀賞

未来のコンビニ「Real×Tech Convenience」などにおける協業

三菱商事株式会社/KDDI株式会社/株式会社ローソン

2025年

スマートソリューション部門
スマートデバイス分野 最優秀賞

スマートデバイス分野 最優秀賞

コストパフォーマンスの高いスマートフォンなどの製品群

小米技術日本株式会社(シャオミ・ジャパン)

2025年

スマートソリューション部門
次世代ロボット分野 最優秀賞

次世代ロボット分野 最優秀賞

ミミズ型管内走行ロボット「Sooha🄬

株式会社ソラリス

2025年

スマートソリューション部門
最優秀賞

最優秀賞

リサーチや執筆のためのAIアシスタントツール「NotebookLM」

グーグル合同会社