ITデジタル家電購入意向調査(2014年夏ボーナス商戦編)

2014年06月12日

■ボーナス支給額は増加に転じ、購買意欲も回復傾向が続く
■購入意向はキッチン家電・生活家電が大幅増、海外旅行、ITデジタル家電も増加
■ITデジタル家電は、4Kとワールドカップ効果で薄型テレビが1位に

MM総研(東京都港区 代表取締役所長:中島洋)は6月12日、インターネットアンケート・サービス「NTTコム リサーチ」の会員モニターを使い、全国の20歳以上の就業者1,110人を対象とした「夏のボーナス商戦に関するアンケート」を実施、結果をまとめた。

■ ボーナス支給額は増加に転じ、購買意欲も回復傾向が続く
 Webアンケートの結果によると、この夏のボーナス支給額が「昨夏より増加する」と答えた回答者は14.9%を占め昨冬の8.7%から大きく増加した。「昨夏より減少する」との回答は5.2%でこちらは逆に昨冬の9.2%から大きく減少する結果となった。今夏のボーナスによる購買意欲については、「昨夏と比べ上がった」との回答が14.4%と、昨冬の11.7%からやや増加したのに対し、「下がった」との回答は19.8%と、昨冬の21.5%に比べやや減少する結果となった。今夏は大手企業を中心に、業績が回復したことなどからボーナスの増額に踏み切る企業が増加しており、そのことが本調査におけるボーナス支給額および購買意欲の改善にも繋がっている。

 この他、前年と比較できないケースとして、今年入社で初めて夏のボーナスの支給を受ける就業者は4.9%、昨夏または今夏のいずれかで「ボーナス支給がない」就業者は3.1%であった。年俸制なども含め「昨夏も今夏もボーナス支給がない」という就業者も24.5%いた。

 この夏のボーナスでの購買意欲については(今夏にボーナスが支給される817 人が対象)、「昨夏と変わらない」就業者が65.7%と最も多く、「購買意欲が下がった」就業者19.8%を大きく上回った。「購買意欲が上がった」就業者は14.4%であった。過去の調査結果と比べると、「購買意欲が下がった」就業者の割合は12年冬の31.6%から、13年夏は19.8%と大きく減少。昨冬は21.5%とやや上がったものの、今回は再び昨夏と同水準まで減少し、リーマン・ショック以後では最低水準となっている。一方「購買意欲が上がった」就業者は、12年冬の10.1%から13年夏は13.0%と増加。昨冬は11.7%と若干減少したものの今回は14.4%となり、こちらは逆にリーマン・ショック以後では最高の水準となった。ボーナス支給額の増加傾向に合わせて、購買意欲も着実に改善していることが窺える。今年4月に消費税が5%から8%へと増税されたことで、購買意欲への悪影響を懸念する声もあったが、ボーナス支給額が増加したことにより、そうした影響は最小限に止まったとみられる。




■購入意向はキッチン家電・生活家電が大幅増、海外旅行、ITデジタル家電も増加
 この夏のボーナスの使い途について複数回答で聞いたところ、昨夏は「商品・サービスの購入」が42.5%(328人)であったのに対し、今夏は35.9%(293人)と6.6ポイント減少。「貯蓄・運用」は60.6%(9.8ポイント減)、「ローンなどの支払い」は20.7%(5.1ポイント減)となった。ボーナスを商品・サービスの購入にまわす就業者の割合は、08年のリーマン・ショック以降減少傾向にあるが、今夏に関しては昨冬の31.1%は上回るという結果となった。今夏に関しては「まだ決めていない」と回答した就業者も21.7%おり、ボーナスの使い道を商品・サービスの購入にするか、貯蓄・運用に回すかを決めかねている就業者が一定数いることが影響している。

 この夏のボーナスの使い途について複数回答で聞いたところ、目立って増加したのは、「キッチン家電・生活家電」「海外旅行」「ITデジタル家電」であった。特に「キッチン家電・生活家電」は昨夏の6.4%から今夏は12.6%と6.2ポイント上昇している。キッチン家電・生活家電は、今年2~3月の消費増税前の駆け込み需要の影響で キッチン家電・生活家電全体の在庫が例年よりも不足しているため、ボーナスで早めに購入したい人が増えている。「海外旅行」は昨夏比3.4ポイント増加の11.6%、「ITデジタル家電」も昨夏比2.2ポイント増加の34.8%となった。

 一方、「国内旅行」は昨夏比5.4ポイント減の35.8%、「外食」は昨夏比2.9ポイント減の21.8%、「遊園地・娯楽施設」は昨夏比2.6ポイント減の7.5%となり、明暗が分かれた。特に「国内旅行」の落ち込みが昨夏に比べて大きいが、「海外旅行」に需要がシフトしたことによる影響が大きいと思われる。


■ITデジタル家電は、4Kとワールドカップ効果で薄型テレビが1位に
 この夏のITデジタル家電のランキングは、「薄型テレビ」と「ノートパソコン」が全体の9.2%を占めトップで並び、次いで「スマートフォン」が3位(6.5%)、「タブレット端末・電子書籍端末」が4位(5.8%)、「デジタルカメラ」が4.1%で5位という結果となった。なお、6位以降は「デスクトップパソコン」(3.1%)、「ブルーレイディスクレコーダー」(2.0%)、「携帯型音楽プレーヤー」(同)、「家庭用ゲーム機(据置型)」(同)、「カーナビ」(同)、「ETC」(1.7%)と続いた。

 また、昨夏のボーナス時に購入したITデジタル家電ランキングの上位は、1位は「ノートパソコン」で7.3%、2位は「スマートフォン」で6.1%、以下3位は「薄型テレビ」の5.5%、4位は「デジタルカメラ」で5.2%、5位は「タブレット端末・電子書籍端末」(3.0%)「デスクトップパソコン」(同)であった。上位5品目の顔ぶれは昨夏と今夏で比較すると「デスクトップパソコン」が外れた他は変わっていない。

 



 「薄型テレビ」の購入意向はITデジタル家電の中では「ノートパソコン」と並んで1位となり、購入意向を示した就業者割合では昨夏の5.5%から今夏は9.2%と、3.7ポイントの増加となった。購入意向を示した27人中18人が「4Kテレビ」を購入する意向を示しており、今月から試験放送が始まった4K放送の本格化を見越して購入する人が多くなっている。また、今月13日にブラジルで開幕するサッカーワールドカップのテレビ中継を観るために、大画面の機種へと買い替える動きがあることも影響している。

 「ノートパソコン」は昨夏の7.3%から今夏は9.2%と1.9ポイント増加した。「Windows XP」のサポートは4月に終了したが、まだ最新機種への置き換えが完全に終わっておらず、引き続き買い替え需要が続いている。7月に発売される日本マイクロソフトの「Surface Pro 3」への期待も高まっている。

 「スマートフォン」の購入意向は昨夏の6.1%から6.5%と0.4ポイントの増加となった。フィーチャーフォンからスマートフォンへの買い替え需要がほぼ一巡したこともあり、堅調ながらも一時期のような勢いは影を潜めている。

 「タブレット端末・電子書籍端末」は昨夏の3.0%から今夏は5.8%と2.8ポイントの増加となった。アップルの「iPad Air」「iPad mini Retina」だけではなく、グーグル「Nexus7(2013)」やソニーの「Xperia Z2 Tablet」などのAndroidタブレット、さらにはWindowsタブレットのラインアップも揃ってきたことで、プライベート用途からビジネス用途まで幅広い需要を取り込めるようになってきている。

 「デジタルカメラ」は、昨夏の5.2%から4.1%と1.1ポイントの減少となった。コンパクトデジタルカメラに迫る性能を備えたスマートフォンが増えてきたことなどが影響し、需要が減少している。但し、より高機能なデジタル一眼レフカメラの需要は比較的安定している。

 なお、年代別では20代と40代においては「ノートパソコン」が1位となり、30代においては「薄型テレビ」が、50代においては「デジタルカメラ」が1位となっている。

■調査概要
1.調査対象  :全国の男女20代以上の就業者
2.回答件数  :1,110件
※男女比  男性(65%)/女性(35%)
※年代構成 20~24才(14%)/25~29才(15%)/30~34才(14%)/35~39才(15%)/40~44才(14%)/45~49才(14%)/50才以上(14%)
3.調査方法 :Webアンケート
4. 調査期間 :2014年5月30日(金)~6月1日(日)

■NTTコム リサーチについて
NTT コム オンライン・マーケティング・ソリューションが提供する、高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービス。NTTコム リサーチの厳しい管理基準をクリアした「NTTコム リサーチ」モニター(74万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心とする「NTTコム リサーチ・ビジネスパネル」(8.8 万人)、スマートフォンでアンケートに答える 「NTTコム リサーチ・モバイルパネル」(15.2 万人)のほか「Potoraアンケート」モニター(116万人)を含め、延べ214 万人の登録モニターを擁し、消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューまで、様々な市場調査ニーズに対応する。(モニターの人数はいずれも2013年11月現在)


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