2018年度上半期PCサーバー出荷概況

前年同期比8.2%増の21万4,615台

2019年01月10日

■ 出荷台数は前年同期比8.2%増の21万4,615台

■ 出荷金額は同13.6%増の1,303億円

■ 台数の増加は2013年度下期以来5年ぶり、金額は3半期連続の増加

■ 2018年度通期では2,833億円(11.4%増)を見込む

 MM総研(東京都港区、所長・中島 洋)は1月10日、18年度上半期(18年4~9月)のPCサーバー国内出荷実績をまとめた。出荷台数は前年同期比8.2%増の21万4,615台となった(グラフ1)。出荷金額は同13.6%増の1,303億円で、3半期連続の増加となった。

金額の二ケタ増は、サーバー仮想化に伴い高単価製品に需要がシフトしたことに加え、大学、研究所等の科学演算用途(HPC)の大型案件があったことによる。一方、半期での出荷台数増は2013年下期以来5年振りとなった。台数増はHPC利用に加えてフィンテックやDX(デジタルトランスフォーメーション)といった新規分野向けの用途での利用増が後押しした。これらの用途は中長期的にクラウドへのシフトが進むと見られるが、足元では多くのユーザーがオンプレ型との併用を推進しており、短期的には台数の押し上げ要因となっている。

2018年度下期は引き続きフィンテック、DX用途では更なる需要拡大が見込まれ、金額で前年同期比9.7%増の1,530億円、18年度通期では11.4%増の2,833億円を見込む。台数は下期が24万4500台(3.8%増)、通期で45万9千台(5.8%増)を見込む。 

2018年度上半期のポイント 

■18年度上半期 出荷台数は8.2%増の21万4,615台

国内PCサーバー市場は2018年4-6月期が前年同期比7.2%増 の9万4,287台、7-9月期は同9.1%増の12万328台で、上半期合計では同8.2%増 の21万4,615台と増加した。半期での出荷台数増は、2013年下期以来5年振りとなった。出荷金額は4-6月が同13%増の568億円、7-9月が同14%増の735億円、上半期合計では同13.6%増の1,303億円となった。

 今後の見通し

■クラウド併用でオンプレ需要も刺激 AI活用で台数増

 昨年から成長の兆しのあったフィンテック用途やDX用途で、サーバー需要が顕在化しており、台数増につながっている。どちらもクラウド活用が大前提となっているが、セキュリティ対策やコストパフォーマンスの観点から本番環境ではオンプレ(自社サーバーでプライベートにクラウドを構築)との併用を選択するケースが多い。

AI活用では、パブリッククラウドではまだ割高感のあるGPUコンピューティング向けの本番サーバーをオンプレで構築して運用するケースが多い。GPUサーバーを活用したAI開発・活用は政府の後押し、産官学連携の推進もあり、大規模な研究開発だけでなく小規模の開発環境や広い業種での実用検討が広がりつつあり、需要の拡大に期待が持てる分野である。

■セキュリティを含む運用管理の在り方について焦点があたる

 今後、AIやIoT活用でユーザー企業はシステム全体のセキュリティレベルの底上げに腐心することになる。オンプレとクラウドを併用する傾向が鮮明になっているが、エッジとなるデバイス、アプリケーション、データを含め、どのようにシステム全体を維持管理するかが課題となろう。またメガクラウドでは事業者側で常に機能更新や一定のセキュリティを担保し、そのレベルについて、透明性を保つようにしているが、これと同種の考え方をオンプレ環境下でどのように担保していくかが課題。サーバープラットフォームベンダーやSI事業者は多くの顧客が今後直面する課題を先回りし、適切なソリューションを提供すべきである。

 


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