第4回 環境対策に関する消費者意識調査

~環境対策注力イメージ企業ランキング~

2012年01月26日

■環境注力イメージ企業は、トヨタ自動車がトップを堅持も支持数は減少
■サントリーとシャープが急上昇、日産も上昇。パナソニックはトップ3を堅持
~大震災と放射能汚染による価値観の変化(環境に良いとは何かなど)が順位変動、回答企業数減少の要因か~

 MM総研(東京都港区、所長・中島 洋)は1月26日、インターネットアンケート・サービス「gooリサーチ」の一般消費者会員モニターを使い、全国1,078人を対象とした「環境対策に関する消費者意識調査」第4回を実施し、結果をまとめた。

■環境注力イメージ企業は、トヨタ自動車がトップを堅持も支持数は減少
■サントリーとシャープが急上昇、日産も上昇。パナソニックはトップ3を堅持

 Webアンケートの結果によると、回答者1,078人の環境問題に対する関心度は、「非常に関心がある」が16.6%、「やや関心がある」が57.2%で両者を合わせて約74%が環境問題に対する関心を示した。これは前回に比べて6ポイントの減少。調査開始以降初めて80%を下回った。「多少値段が高くても環境に良い商品を選ぶ」は「あてはまる」「ややあてはまる」あわせて約39%(前回43%から4ポイント減少) 、「コストや手間がかかっても、環境によい商品を選ぶ」は「あてはまる」「ややあてはまる」あわせて約30%(前回37%から7ポイント減少) と、全体的に環境問題への関心度が前回と比較して大幅に下がった。また、「温室効果ガスを90年比25%削減するという日本の国際公約を支持するか」の問いに対し、「あてはまる」「ややあてはまる」あわせて約40%(前回46%から6ポイント減少)となった。

 環境対策に力を入れていると感じる企業は、1,078人のうち、1人5社までの記述式回答で290人(26.9%)から支持を獲得した「トヨタ自動車」が、トップを獲得した(表1)。支持した理由は「ハイブリッドカー(プリウス)を販売している」という回答が、前回同様ほぼ全てを占めた。同社は昨年もトップだが、支持率は前回2011年の36.3%に対し今回は約10ポイント減少。ハイブリッド効果の一服感と、より環境性能の優れた電気自動車の評価が高まってきたことが考えられる。
 前回躍進した自動車メーカーだが今回の調査ではトヨタ自動車をはじめ、全体的に評価が下がる傾向が見られた。本田技研工業は前回の5位から7位、前回12位の三菱自動車は21位と大幅に順位を下げた。その中で日産自動車は前回から0.1ポイントと若干ではあるものの増え、本田技研工業を抜き5位となった。
 2位は161人(14.9%)の支持を獲得した「サントリー」。前回の3位(105人、9.6%)から順位を上げた。支持した理由は「森林など自然環境の保護」「CMやホームページの取り組み」「水資源の保護」という意見が目立つ。同社はコーポレートスローガンに「水と生きる」を掲げ、森林の保全や子供への環境教育などの社会貢献活動を継続していることに加えCM、ホームページでのPR活動が消費者に浸透してきている結果と考えられる。
 3位は110人(10.2%)から支持を獲得した「パナソニック」。支持理由は前回とほぼ同様、「省エネ製品の開発」「エコナビ」「CMのイメージ」などの意見が多かったが、前回の2位(136人、12.4%)から順位を下げた。
 4位は「シャープ」。98人(9.1%)から支持を獲得し前回の7位(73人、6.7%)から順位を上げた。支持理由は「太陽光パネルの開発、販売」が多数を占めた。
 5位は76人(7.1%)から支持を獲得した「日産自動車」。支持理由は前回同様、「電気自動車の開発、販売」がほぼ全てを占めた。以下、6位イオンと続く。昨年5位の本田技研工業は7位だった。
 全業種の有効回答数は1,451件で前回の1,888件と比較すると437件減少した。これは昨年4位の東京電力(94件)が7件に急落したことに加え、東日本大震災、放射能汚染の影響による価値観の変化(環境に良いとは何かなど)が要因として考えられる。

■企業の選択理由は「環境配慮型の製品の開発に積極的だから」が59%、「広告宣伝等でアピールしている」が47%

 環境対策に力を入れていると感じる企業1,451件を選んだ理由について、選択肢形式で質問したところ、トップは「環境配慮型製品の開発に積極的だから」(58.6%)、2位が「広告宣伝、自社ホームページで環境貢献をアピールしているから」(47.3%)となった。以降「製品の生産過程において環境に配慮しているから」(35.1%)、「植樹、森林、水質保護などの社会貢献活動に積極的だから」(28.7%)、「自社製品のリサイクル活動に積極的だから」(26.9%)、「社員の環境意識が高いから」(14.5%)などと続き、それ以外は10%未満となった。
 
■家電・IT業界ではパナソニックが4回目のトップ、2位がシャープ。前回4位の日立が3位に順位アップ

 家電・IT業界に対象を絞って同様の質問をしたところ、1,078人のうち、1人3社までの記述式回答で344人(31.9%)からの支持を獲得した「パナソニック」が4回目の1位となった(表2)。支持率は前回の34.4%から2.5ポイント減少した。2位は190人(17.6%)からの支持を獲得した「シャープ」で、支持理由は「太陽光パネルの開発、販売」が多数を占めたほか、「LED電球の開発、販売」の回答が目立った。シャープは昨年同様の順位だが、比率は前回の19.6%から約2ポイント減少。3位は105人(9.7%)からの支持を獲得した「日立製作所」。前回の4位(125人、11.4%)から支持数、支持率は下がったものの順位を1つ上げた。支持理由は「スマートシティ関連」「環境配慮型製品を多数開発、販売」「CMでのイメージ」など幅広い意見が見られた。4位には前回3位の「東芝」(93人、8.6%)、5位は昨年と同様「ソニー」(66人、6.1%)となった。3位の日立製作所と4位の東芝の順位が入れ替わった以外、上位5社の顔ぶれは過去3回と同じになった。


■〔備考〕 その他調査分析項目について
 本調査ではこのほか環境対策に取り組むべき業種などについても明らかにしている。また、男女、年齢その他個人属性別の差異などについても分析した。今後第5回以降を実施するに当たり、より環境対策への意識を高め、企業がどのような取り組みをするべきか、方向を示せるような調査としていきたい。


※上記の表は1人5社までの記述式回答の結果
           (表1)


※上記の表は1人5社までの記述式回答の結果
           (表2)


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■調査概要
1.調査対象 :全国の一般消費者
2.回答件数 :1,078件
※男女比   男性(50.2%)/女性(49.8%)
※年代構成 18~29歳(19.9%)/30~39歳以下(20.0%)/40~49歳(20.2%)/50~59歳(19.6%)/60歳以上(20.1%)                     
3.調査方法 :Webアンケート
4. 調査期間 : 2012年1月6日(金)~2012年1月11日(火)
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■gooリサーチについて
NTTレゾナントが運営するポータルサイト「goo」で提供中の、高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービス。携帯電話でアンケートに答える 「gooリサーチ・モバイル」モニター(13.8万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心とする「gooリサーチ・ビジネス」モニター(8.7万人)、団塊世代・シニア層、ならびに若年層を中心とした郵送調査手法で回答する「郵送調査専属モニター」(3.4万人)を含め、延べ680万人の登録モニターを擁し、消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューまで、様々な市場調査ニーズに対応する。(モニターの人数はいずれもH24年1月現在)


■注意事項
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