アクセシビリティの取り組みの変遷
同社はインクルーシブデザインを突然取り入れようとしたわけではない。
2013年にグローバルへ向けてダイバーシティ方針を制定。法規定に則るだけでなく、より使いやすいものを生み出すためには、アクセシビリティの考えをより推進すべきだとの考えが当時からあったという。
2019年には障がい者が社会、ビジネス、経済における潜在的な価値を発揮できるような改革を、世界500社のビジネスリーダーが起こすことを目的としたネットワーク組織「The Valuable 500」に加盟。法的な取り組みとあわせて先進的な活動をしてきた。そのなかでインクルーシブデザインはイノベーションを創出できる手法であり、アクセシビリティを推進するための最適解であるという結論に至ったという。
しかし同社のような大規模な企業では、単発プロジェクトのみでは全社的な意識改革につながらないことは往々にしてある。
前述のような研修参加などを積み重ねて社員のアクセシビリティの意識を向上させることと、動き始めた社員の活動を組織のマネジメントもエンドースすることにより、インクルーシブデザインを採用する土壌ができあがってきた。その延長線で「商品化プロセスへの導入」という次のフェーズに移る準備ができつつある。