人やハードロボットでは難しかった状況に柔軟に対応できる、ソラリス独自のソフトロボティクス
近年の道路陥没件数の増加など、社会インフラの老朽化対策は喫緊の社会課題となっている。ソラリスの「ミミズ型管内走行ロボット『Sooha🄬』」は世界初の空気圧人工筋肉を利用したソフトロボットで、ミミズのように伸縮動作を繰り返しながら前進することができる。配管内での点検・清掃作業が可能で、細管内など人や他のロボットが入れず維持管理が難しい場所のインフラ整備での活躍の可能性が高く評価された。
スマートソリューション部門
次世代ロボット分野
最優秀賞
効率的・効果的な配管メンテナンスを実現する生物模倣型ロボット
近年の道路陥没件数の増加など、社会インフラの老朽化対策は喫緊の社会課題となっている。ソラリスの「ミミズ型管内走行ロボット『Sooha🄬』」は世界初の空気圧人工筋肉を利用したソフトロボットで、ミミズのように伸縮動作を繰り返しながら前進することができる。配管内での点検・清掃作業が可能で、細管内など人や他のロボットが入れず維持管理が難しい場所のインフラ整備での活躍の可能性が高く評価された。
ミミズ型管内走行ロボット「Sooha🄬」は、細い配管の中を走行し点検や清掃ができるソフトロボットだ。胴体部分は7つのゴム製のアクチュエーターと自在継手で構成され、柔軟に曲がることができる。この構造により2つ以上のエルボ(配管の継ぎ手になる曲げ部分)やショートエルボがあるような複雑な配管内の走行が可能。また本体にはブラシが20枚構成されており、往路で配管内にある堆積物を掃き出し、帰路では先端に装着したカメラで清掃効果や配管内の状態を確認することができる。「Sooha🄬」を一度、走行させるだけで配管内の点検と清掃を同時にこなせる仕組みだ。操作は「前進」「後退」「停止」のボタンを押すだけなので誰でも簡単に扱える。

「Sooha🄬」の一番の特徴は人工筋肉にある。ソラリスのキーコンポーネントの一つである軸方向繊維強化型人工筋肉は、中央大学で開発され、空気圧で駆動し、生物の筋肉のように柔軟軽量で高出力を実現する。補強繊維の拘束により軸方向への膨張を制限し、半径方向に膨張した分だけ軸方向は収縮し、その収縮力をアクチュエーターの出力として利用する。これにより垂直に設置された配管でも登ることができる。
ミミズ型ロボットの開発は、長年にわたって生物模倣ロボットを研究してきた中央大学の中村太郎教授がミミズの動きに興味を持ち、その動きを再現しようとして始まった。研究が進む中でロボットの社会実装に向けて模索していたところ、近年社会課題としても注目されている配管の維持・メンテナンスでの活用にたどり着いたという。手足のない生き物としては、ヘビや尺取虫なども思い浮かぶが、それらと比較してミミズの動き(蠕動運動)は幅や高さを必要としないため、配管の中を進むのに適しているといえる。多くのソリューションは課題が先にあり、それをどう解決するかを模索する形で開発される流れにあるが、「Sooha🄬」は大学の生物模倣ロボット研究という用途に限られない形での開発から始まったことで、これまでにない新しいソリューションになり得たとも言えるのではないか。

2025年5月の販売開始以降、業種を問わず国内外から数多くの問い合わせがきている。これまで有効な手段がなく十分な対応ができていない配管が相当数あることが、「Sooha🄬」という解決手段が出てきたことで顕在化してきているという。
配管は施設内のみならず上下水道など地中や不整地、高所など世界中の様々な場所に存在する。管の構造はシンプルだが設置箇所が多岐にわたるため、配管の太さ、長さ、傾斜、曲がりだけでなく管内の堆積物の種類が異なるなど、課題も多種多様だ。ソラリスではそういったニーズに応えるため、口径100ミリよりも細い配管に対応できるタイプの製品の開発も進めている。しかし、多様な環境でより効果的に使用するには「Sooha🄬」の機能向上はもちろん、それぞれの環境を熟知した人の関与も重要になる。ソラリスは「Sooha🄬」の進化を続けるとともに様々な知見を持つパートナーと協力していくことで、より早く多くのニーズに答えられる体制を構築していきたいとしている。
2025年
スマートソリューション部門
AI分野
最優秀賞
AI分野 最優秀賞
ソフトバンクグループ株式会社
2025年
スマートソリューション部門
光通信サービス分野
最優秀賞
光通信サービス分野 最優秀賞
NTT東日本株式会社/NTT西日本株式会社
2025年
スマートソリューション部門
DXソリューション分野
最優秀賞
DXソリューション分野 最優秀賞
三菱商事株式会社/KDDI株式会社/株式会社ローソン