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ニュースリリース
2009.5.27
ブロードバンド市場の成長は緩やかに
―ブロードバンド回線事業者の加入件数調査 (09年3月末時点)―
■ FTTH1,500万件突破も純増数は鈍化傾向
■ ADSLの減少は落ち着く傾向
■ IPTVがFTTH市場活性化のけん引役に
FTTH加入件数 1,503万件 (09年3月末時点) 286万件の増加 (08年3月末比)
ADSL加入件数 1,122万件 (09年3月末時点)  148万件の減少 (08年3月末比)

 MM総研(東京都港区、所長・中島 洋)は5月27日、09年3月末時点でのブロードバンド回線事業者の加入件数を調査し、結果をまとめた。それによると、FTTH(光接続サービス)の契約数は1,503万件となり、08年3月末時点より286万件の増加となった。一方ADSLに関しては、1,122万8,000件と、08年3月末より147万7,000件減少し、3月末時点の比較では過去最大の減少となった。

 ADSL加入者の減少に対し、FTTH加入者の増加というここ数年の大きな流れに変化はないが、昨年6月をピークにFTTH加入者の純増ペースが急速に鈍化。08年度下期の月間平均純増数は21万件と、ピーク時(06年度下期)の29万件から8万件も減少している。

 FTTHの純増ペース鈍化の要因は、消費減退、住宅着工数の減少など景気悪化による影響や、モバイル・ブロードバンドと低価格ノートパソコン(ネットブック)のセット販売が従来のFTTH回線とパソコンのセット販売と競合していること、またFTTHならではのサービスの訴求が十分ではなかったこと、などが考えられる。

 しかし、FTTHならではのサービスである「IPTV」は09年前半から利用者が大幅に増加してきている。今後、IPTVのチャンネルラインナップの強化やハイビジョン放送の提供といった品質の向上などが進み、FTTHサービスの新たな魅力として訴求できれば、市場の活性化に繋がると期待される。

 一方で、過去最大の減少を見せたADSLであるが、09年に入り純減幅は縮小傾向にある。FTTHへのマイグレーションが一巡したことや、不況による節約志向の高まりなどから低価格のADSLに対する評価が見直されている可能性もある。今後は緩やかに純減ペースを落としながら推移していく見通しである。

 今後は、FTTHの純増数は鈍化するが、ADSLの減少幅が縮小することから、ブロードバンドサービス市場全体では、10年3月末3,205万件、11年3月末3,365万件、12年3月末で3,525万件と契約数は伸びるものと予想する。

事業者シェア

■FTTH市場、NTT東41.9% NTT西32.2%

 事業者別シェアでは、NTT東日本は08年3月末の496万3,000件から、09年3月末で629万1,000件となり純増数は132万8,000件。NTT西日本は08年3月末381万4,000件から09年3月末484万3,000件で純増数は102万9,000件となった。シェアはNTT東日本が41.9%、NTT西日本が32.2%となった。東西合計でのシェアは09年3月末で約74.1%となり、08年3月末の約72.1%から2ポイント増という結果となった。フレッツ光ネクストへの加入状況は、09年3月末の純増数のうち約64%がフレッツ光ネクストに加入している状況だ。

 両社とも08年4月をピークに純増ペースは鈍化し、08年12月には前年比約80%、09年3月には約70%の水準まで純増数は鈍化している。09年度はNTT東日本が140万増の769万1,000件、NTT西日本が110万件増の594万3,000件をそれぞれ目標とし、2010年度末までに2,000万件としていた目標は見送っている。

 NTT東西では、ノンPC層の利用拡大に向けFTTHサービス「フレッツ光」につながる家庭向け通信機器を「光LINK」としてシリーズ化したサービスを開始したほか、総合警備保障や任天堂などとのアライアンスによる新サービスの提供を開始している。また、光配線方式による集合住宅向けサービスや、「ひかりTV」「フレッツTV」など映像系サービスも好調であり、09年度以降の需要喚起策として期待される。

 NTT東西に続きKDDIがシェア3位を維持。08年4月1日より中部テレコミュニケーション株式会社(CTC)を子会社化した効果で、契約数は08年3月末時点の71万件シェア5.8%から、38万9,000件増加し、09年3月末で109万9,000件シェア7.3%と加入者数を大きく伸ばした。08年10月より開始した上り/下り最大1Gbpsの高速通信「ギガ得プラン」が首都圏、北海道で好調だったため、純増数を伸ばす結果となった。

 4位のケイ・オプティコムは、08年3月末68万2,000件から09年3月末で84万4,000件と16万2,000件の純増となった。低価格戦略や地域密着型のコンテンツの提供、「eo光テレビ」のサービス強化などに積極的に取り組み、会員数を拡大。08年度も比較的安定して会員を獲得した。


■イー・アクセス、アッカ・ネットワークス統合でシェア2位に浮上

 ADSL回線事業者では、シェア1位となったのはソフトバンクBBのYahoo!BB ADSLサービス。シェア38.3%でトップを維持したが、08年3月末の480万9,000件から09年3月末では429万9,000件と、51万件の大幅減となった。

 シェア2位はイー・アクセス。08年9月よりアッカ・ネットワークスを新たに連結子会社とし、09年6月に同社を吸収合併する予定。09年3月末時点のイー・アクセスの加入件数は176万件、両社合計で256万件となる。これにより合併後は、09年3月末時点の市場シェアで22.8%となりYahoo!BBに次ぐシェア第2位に浮上。両社一体となった顧客獲得施策の促進、解約防止強化、設備・カスタマーサポートなどの業務統合による効率化やコスト削減を進めるほか、FTTHと比較した料金格差によるADSLの優位性などを訴求することで、引き続きADSL市場でのシェア拡大を進める。

 3位・4位につけるNTT東西では、NTT東日本では08年3月末の241万件から09年3月末で205万8,000件となり35万2,000件の減少。NTT西日本では、08年3月末の224万6,000件から193万4,000件となり31万2,000件の減少となっている。


ISP事業者の接続回線別の動向

■OCNがFTTH契約数でトップシェア

 ISP接続事業者では、FTTHでOCNが09年3月末で456万4,000件、シェア30.4%となり08年3月末時点に引き続きトップシェアを維持。08年3月末の353万5,000件、シェア29.0%から、102万9,000件増加しシェアは1.4ポイントアップした。

 ADSLではADSLサービスで圧倒的ブランド力を誇るYahoo!BBが、09年3月末時点で429万9,000件、シェア38.3%と、2位に続くOCNの194万5,000件、シェア17.3%に対して2倍以上の差をつけ首位を維持している。

 OCNはFTTH回線とADSL回線を合計すると650万9,000件となりブロードバンド市場でトップシェア。また、同社のナローバンドサービスを含む契約者数は736万7,000件で、08年3月に引続きISP市場でトップシェアを維持している。
Yahoo BB!はFTTH回線の契約者数は公表していないが、ADSL回線程、顧客獲得は進んでおらず、ブロードバンド回線市場におけるシェアは減少傾向となっている。


今後の動向

■ブロードバンド契約者数は3,000万件を突破

 2009年3月末時点のブロードバンド契約者数は3,040万件と3,000万件を突破。回線種別ではADSLが1,122万8,000件、FTTHが1,503万件、CATVが414万件となった。ADSLは08年に入り純減幅が縮小している。FTTHへのマイグレーションが一巡したことや、不況による節約志向の高まりなどから低価格のADSLに対する評価が見直されている可能性もある。今後は緩やかに純減ペースを落としながら推移していき、10年3月末には1,000万件を割る985万件まで市場規模は縮小し、11年3月末に860万件、12年3月末には750万件にまで減少すると予想する。

 FTTHは、08年3月末時点で1,217万件だった加入件数は1年間で286万件の純増となった。純増数は、05年度(05.4〜06.3)で約269万件、06年度(06.4〜07.3)で約346万件、07年度(07.4〜08.3)で約336万件と、純増ペースは鈍化している。今後は10年3月末に約1,785万件程度の普及が見込まれ、11年3月末に2,050万件、12年3月末には2,300万件と緩やかに拡大していくと予想する。

 ブロードバンドサービス全体では、10年3月末3,205万件、11年3月末3,365万件、12年3月末で3,525万件と契約数は伸びるものと予想する。





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